こちらは、折れてしまったリアディレイラー・ケーブルアジャスターの交換作業です。
アジャスターの交換だけであれば簡単な作業ですが、折れた残骸がディレイラー本体に残ってしまっています。
折れた残骸が本体に固着していなかったので、千枚通しを突き刺して、くるくる回すと。
無事に取り外せました。
左が新しいケーブルアジャスター。
本体に取り付けて作業完了です。
変速の調子が悪いとのことでの修理依頼です。
フロント・リアともにギアが変わりにくく、チェーンの伸びも気にされていました。
チェーンはチェッカーで測定するとかなりの伸びを確認しました。
変速の調子が悪い原因はディレイラーハンガーの曲がりによるものでした。
写真ではわかりにくいですが、ローギアに入れるとディレイラーとスポークが干渉しています。
ディレイラーハンガーを修正する処置を行います。
まずリアディレイラーを取り外します。
ディレイラーハンガー修正ツールをセットします。
ディレイラーハンガーとホイールの幅を測定。
まず下側の幅をチェックすると45mmほどでした。
続いて上側の幅を測定すると、約80㎜ありました。
下側との差が約35㎜もあり、大きく曲がっていることを確認できました。
ディレイラーハンガーとホイールの幅を上下同じにしていきます。
破損しないようにやさしい力で少しずつ修正。
下側の幅約65㎜。
上側も約65㎜に修正。
上下ほぼ同じ幅になりました。
リアディレイラーと新しいチェーンを取り付け、シフト調整を行います。
リアディレイラーとスポークの干渉がなくなり、気持ちよく変速するようになりました。
最近よくある修理の一つとなりました。
フロントディレイラーが内側にずれてしまうケースです。
通常の走行や変速ではこのような曲がり方をすることはまずありません。
ではなぜこのようになるのかというと、自転車をバックさせるからです。
自転車の駆動系はバックすることまで設計されてはいないので、ギアポジションによってはこのような現象が起きてしまいます。
よくあるパターンが、フロントギアをアウター(外側)、リアギアをロー(内側)にかけた状態で、駐輪場などから自転車を引き出すケース。
自転車をバックさせると後輪が後ろに回転して、チェーンも一緒に後ろに回ります。
この時チェーンがフロントギアから外れてしまうことがあり、気が付かずに「えいっ」と後ろに引っ張ってしまうと、ギアから外れかかったチェーンがフロントディレイラーを押してしまい、このような状態になるんです。
自転車をバックさせるときは、やさしい力でお願いします。
もしも何かが引っ掛かったと思ったときは、無理に引き出さず、そっと後輪を持ち上げてあげましょう。